私はPocket PC, WM5/6, W10Mと使って来ました。しかしWindows 10 Mobileから撤退という話題が流れて来ました。
色々と思う所があるので書いてみます。
iPAQ時代
2000年前後、Microsoftの開発環境はしばらくVisual Studio 6.0で止まっているように見えましたが、大きく変化したVisual Studio .NETがリリースされました。
C#が目玉で、これはすぐに馴染めました。テンプレートの中にPocket PCがあったので、端末もないのに遊びで試しました。それで作ったEXEをダブルクリックすれば、Windows 2000上でも普通に動くことに気付きました。
しばらくしてiPAQを入手したので、.NET Compact Frameworkで小物アプリを作って遊んだりしていました。
W-ZERO3時代
C#は良いのですが、Visual Studioを買わなければ開発できない状況が続きました。個人の趣味で使う前提では人に勧めにくく、周りで使い始める人もいませんでした。SharpDevelopやBorland C# Builderなどは登場しましたが、Visual Studioに比べると使い勝手に難があり、敢えてC#で開発するメリットが感じにくかったです。
ちょうどW-ZERO3が登場した時代でしたが、このような事情で個人が趣味で開発するには敷居が高く、どうにかならないものかと思っていました。そして個人開発者の間でもWMが話題に上るのを目にするようになりました。その中心がすまべんメンバーの方々で、どうやら関西を中心に活動されているようでした。渡りに船と言う感じで、関西まで出掛けたりしました。
- 2009.08.29 スマートフォン勉強会@関東#2
- 2009.09.05 スマートフォン勉強会@関西#5
当時(惰性で今もですが)、私は七誌(名無し)などと称して引きこもっていましたが、すまべんがきっかけで人前に出るようになりました。そこまでコアに関わったわけではありませんでしたが、目的が共有できるような楽しさがありました。
話を戻すと、ちょうどそういう時期にVisual Studio 2005ではExpress版の提供が始まり、遂にフリーでもC#の開発環境が使えるようになりました。小細工することで.NET Compact Frameworkの開発をExpressで無理矢理やるノウハウを開拓して、ちょっとしたゲームなどを作って遊んだりしていました。そのテーマで、すまべんで発表させていただいたり、勉強会を初主催したりしました。
- 2009.10.31 スマートフォン勉強会@関東#3
- 2010.11.20 VC# ExpressでWindows Mobile開発 (1)
- 2011.01.15 VC# ExpressでWindows Mobile開発 (2)
WM(というかCE)はWin32の知識を使えば色々と掘り下げることが出来て、私にとっては使い勝手が良かったです。野良アプリが自由なので、上記のような小細工ではなく正規の開発環境がフリーになれば、もっと盛り上がるのではないかと言う期待感がありましたが、そうはなりませんでした。
WP7時代
私の勝手な期待とは逆の方向に動き始めます。WP7で互換性を切って野良アプリを排除して、有料で開発者登録をしなければ実機での開発もできなくなりました。
私は無料で自由に野良アプリが開発できることに意義を見出していたので、この方針転換には抵抗がありました。踏ん切りを付けるため関西まで出掛けたりもしました。
- 2010.04.24 すまべん特別編「Windows Phone 7 開発スタートアップ」
いずれWP7端末が普及して、ストアアプリでの開発が避けられなくなれば、流されるまま受け入れるしかないのだろうとは思っていましたが、そうはなりませんでした。
WP7端末は日本ではIS12Tしか発売されず、私は手を出しませんでした。WP8がリリースされれば一気に端末も発売されるのではないかという希望的観測もありましたが、音沙汰がありませんでした。
この頃はいつかまた野良アプリと戯れる日を夢見つつ、Win32の勉強を兼ねてCEやWMのバイナリをいじったりしていました。
- 2011.11.19 PE勉強会 (5) MIPS編
- 2012.01.21 PE勉強会 (6) ARM編
しかし後にリリースされたWindows RTでも野良アプリは禁止となり、ここでやったことは活用できませんでした。(JBすれば活用できるかもしれませんが、そこまでする気にもなれず、その穴もRT 8.1で塞がれました)
W10M時代
WP8時代の後期にマウスコンピューターがMADOSMAで参入して、一気に開けた感がありました。そしてW10M端末はそこそこ種類が出て来ました。このままニッチとして定着するのではないかという期待感がありましたが、そうはなりませんでした。
一般向けに提供できるレベルまで成熟するのにそれだけ掛かったということかと思いますが、まあ、遅過ぎますよね…
正直、無駄に厳しくしたことが裏目に出たように思っているため、以下の意見には共感できます。
野良アプリで遊びたいならAndroidを使えと言われそうですが、正直、スマホアプリを作ろうという熱意がなくなってしまいました。やるとすればXamarinですかね…