Debian/Interixの手順書(id:n7shi:20091214で翻訳)に沿って、Windows XPにインストールしてみました。結論から言うとばっちり動いています。システムを置き換えてどんどんGNU化していくので、そこを割り切れない場合は導入しない方が良いと思います。
GNU系のツール(gettext, bison, flexなど)の自前ビルドから解放されたので、かなり楽になりました。ただしパッケージが古く、自前ビルドしたツール(id:n7shi:20091212に含まれるもの)の方が新しいものもあります(python, gtarなど)。そのためしばらくは自前ビルドと併用することになりそうですが、それらも徐々にdeb化していこうと思います。
インストールレポートは以下の通りです。
hotfix
Debian/Interixを試すまでhotfixの存在を知りませんでした。ちょっと複雑なことをするとすぐbus errorでコアを吐いたりしていたのですが、ロールアップしたところ安定しました。
Debianを使わなくても以下のhotfixはインストール必須です。
Administrator
Administratorでログインして作業するように強く指示されていますが、Windows XPで作業した限り「別のユーザーとして実行」やsuでも問題なくインストールできました。「簡易フォルダの共有」も無効にする必要はないようです。ただし「別のユーザーとして実行」はVistaの「管理者として実行」とは異なりますし、Vistaではまだ試していないため、あくまでXPに限ります。
環境構築後の実運用でも、aptなどがrootかどうかをチェックしているため、パッケージデータベースのパーミッションをいじっても一般ユーザーからパッケージをインストールすることはできません。sudoがないためsuでAdministratorになる必要があります。
apt-getでパッケージをインストールする際にもsbinへのパスを通す必要があります。手順書の通り/etc/profile.lclにパス設定を書き加えて、"su -l"としてAdministratorとしてログインして使っています。
エラー?
インストール中に以下のエラーらしきものが出力されましたが、トラブルシューティングの手順("dpkg -l"など)でインストールを確認した所、特に問題はないようでした。実運用でも特に問題はないようです。
$ id -u 197108 $ ksh setup I: Retrieving Release I: Retrieving Packages I: Validating Packages (中略) I: Installing core packages... W: Failure trying to run: chroot // dpkg --force-depends --install W: Failure trying to run: chroot // dpkg --force-depends --install (中略) I: Configuring debconf-english... W: Failure while configuring base packages. W: Failure while configuring base packages. W: Failure while configuring base packages. W: Failure while configuring base packages. W: Failure while configuring base packages. I: Base system installed successfully. $
suではなくAdministratorで実際にログインしたり、「簡易ファイルの共有」を無効にしたりしても、結果に変化はありませんでした。
"apt-get check"の際にもエラーが発生しますが、これは手順書の最後で無視するように指示があります。
W: GPG error: http://debian-interix.net unstable35 Release: The following signat ures were invalid: NODATA 2 W: GPG error: http://ftp.de.debian.org unstable Release: The following signature s couldn't be verified because the public key is not available: NO_PUBKEY 9AA38D CD55BE302B W: You may want to run apt-get update to correct these problems
署名がないためパッケージのインストール時に毎回確認を求められます。
WARNING: The following packages cannot be authenticated! パッケージ名 Install these packages without verification [y/N]?
これに y と答えないとインストールされません。
dselect
dselectを使うとパッケージデータベースへのアクセスが異常に遅くなるようです。dselectを使う前は"dpkg -l"はすぐに表示されていましたが、dselectを使うと10秒以上待たされるようになりました。
"dpkg --configure -a"としてデータベースの再構築を試みましたが、改善しませんでした。そのため仕方なくDebian/Interix自体を再インストールしました。なお、再インストールの際に削除するファイルが手順書に記載されているので注意が必要です。
対処法は分かっていないため、現時点ではdselectの使用を避けています。