グラフや数値計算でsinの無限積分解を調べたのでメモしておきます。
概要
sinカーブのグラフから想像できるように、$\sin x=0$ となるのは
のときです。このことから次のような形に因数分解できることが予想されます。
これは実際にできます。発見したのはオイラーです。
係数 $a$ はマクローリン展開によって決められます。
以下ではマクローリン展開を使わずに、$x=\frac π2$ の値によって $a$ を調整しながら、少しずつ $(x-nπ)(x+nπ)$ を増やして変化を調べました。
経緯
高校時代に放物線で sin を近似することを試みて失敗しました。今の知識で考えると、そのコンセプトから無限積分解につながったのにと悔しくなりました。
黒川先生の本によくsinの無限積分解が出て来る。
— 七誌 (@7shi) 2018年7月24日
因数分解してスケール調整をしたもの。
プロットしてみると確かにsinに収束して行くので面白い。
三角関数の無限乗積展開https://t.co/6zXT1pDuSR pic.twitter.com/8SH8fvTpxF
放物線から次数を増やしてどのくらいのペースで収束するのか確認しました。原点付近に注目すればグラフの形はすぐに合うのですが、数値を見るとそれほど収束は早くなかったです。
Jupyterでsinの無限積分解による近似計算の誤差を確認してみました。
— 七誌 (@7shi) 2018年7月25日
sin(π/2)=1 によってスケール調整しています。
20次でも小数第二位までしか一致しないようです。https://t.co/fgo10KSlNY pic.twitter.com/6mQDvaMZRg
私が高校生だった頃はこういう環境は望むべくもありませんが、グラフや数値計算を駆使して数学で遊べたら、まったく世界が違ったでしょう。
参考
この手の無限積分解はゼータ関数論と関係があります。そしてゼータと言えば黒川先生ですね!
三角関数のように既に知っていると思っている関数を取っ掛かりにすれば入りやすいかもしれません。