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Memriseでフェニキア文字のコースを作りました

学習サイト Memrise で初めてコースを作りました。狙いや関連事項を紹介します。

目次

概要

作成したコースはこちらです。

www.memrise.com

ラテン文字(アルファベット)、ギリシア文字、ヘブライ文字はともにフェニキア文字から派生した文字です。字形の変化を追いながら、文字を相互に関連付けて把握するのが狙いです。

まず一番馴染みのあるラテン文字を基に、対応するフェニキア文字を覚えます。文字の名前を音声で読み上げます。文字の形はどこが変化したのか簡単なヒントを付けましたが、それほど大きくは違わないので、想像で補いながら進めば、パズル感覚で取り組めるのではないでしょうか。

次にギリシア文字とフェニキア文字の対応を覚えます。字形はギリシア文字の方がラテン文字よりもフェニキア文字に近いことが感じられるでしょう。また、ギリシア文字にあまり馴染みがなくても取り組めるように、フェニキア文字ギリシア文字の両方の文字の名前を読み上げるようにしました。

最後にヘブライ文字に進みます。ヘブライ文字を知らない人が大半であることを想定して、フェニキア文字からヘブライ文字を覚えるようになっています。文字の形はラテン文字ギリシア文字よりも変化していますが、文字の数は同じで、体系としてはほぼ同一です。今までフェニキア文字の名前として読み上げていたのは、実はヘブライ文字の名前です。(詳細は後述

比較的覚えやすいフェニキア文字を通してヘブライ文字の取っ掛かりにするのも狙いの1つです。

文字の方向

フェニキア文字ヘブライ文字は右から左、ラテン文字ギリシア文字は左から右に書きます。

フェニキア文字ラテン文字ギリシア文字を比べたときに左右反転している文字が多いのは、文字の形ごと書く方向を逆にしたためだと考えられます。

ヘブライ文字

フェニキア語とヘブライ語はともにセム語族に属しており、言語学的にも似ている言語です。初期はフェニキア文字をそのままヘブライ語の表記に使っていました。これを古ヘブライ文字と呼びます。

フェニキア文字の体系は基本的に同じまま、字形が変化してヘブライ文字となりました。

文字の名前

フェニキア文字の名前をヘブライ文字の名前で代用している理由について説明します。

Wikipedia からフェニキア文字の名前について説明されている個所を引用します。

フェニキア文字の各文字の名前は知られていないが、フェニキア文字から発展したギリシア文字・ヘブライ文字・シリア文字などは基本的に共通の呼び名を持っており、フェニキア文字でも同じような名前がついていたと考えられる。

このように正確な名前は残っていないこともあり、日本語版 Wikipedia ではフェニキア文字の一覧表でヘブライ文字の名前を使用しています。

この表に記されている文字名はフェニキア文字ではなくヘブライ文字の読みである。

英語版 Wikipedia では復元された名前が記載されています。

ʾālep, bēt, gīml, dālet, hē, wāw, zayin, ḥēt, ṭēt, yōd, kāp, lāmed, mēm, nūn, sāmek, ʿayin, pē, ṣādē, qōp, rēš, šīn, tāw

復元された名前はヘブライ文字の名前とほぼ同じで、最初から両方覚えようとすると混乱を招きかねないため、今回のコースではフェニキア文字でもヘブライ文字の名前を使用しました。

母音

ラテン語ギリシア語はインド・ヨーロッパ語族に属しており、セム語族フェニキア語とは言語学的特徴も異なります。そのためラテン文字ギリシア文字では、ラテン語ギリシア語に適した体系に改造されました。

もっとも大きな違いは、フェニキア文字が子音だけを表記するのに対して、ラテン文字ギリシア文字は母音も表記する点です。

セム語族の言語は語幹が子音で構成されており、母音を挟むことで単語を派生させます。子音がメインで母音がサブという構造になっています。子音の種類も豊富です。子音だけを表記すれば文脈から母音を補うことが可能だったため、母音を表記しない文字体系だったわけです。

ところがインド・ヨーロッパ語族では言語の構造が異なり、母音も重要な働きをします。セム語族ほど子音は多くなかったため、ギリシア文字では余った文字を母音に転用することが行われました。ギリシア文字の影響を受けて成立したラテン文字でも、この方針を受け継いでいます。

音声合成

コンピューターを用いた語学学習では、音声があると格段に効率が上がります。そのため今回のコースでも音声を付けました。

音声は Windows の SAPI という音声合成のシステムで作りました。発音記号を渡して読み上げることが可能です。詳細は以下の記事を参照してください。

今後

今回と同様に文字の系統関係をたどって、他の文字にも知識を広げていくコースを作る予定です。

第2弾はアラム文字です。アラム文字はフェニキア文字ヘブライ文字の中間的な文字で、両者と比較して学習します。

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第3第は原シナイ文字です。フェニキア文字から原シナイ文字に遡って、原シナイ文字の元になったと推測されるヒエログリフと意味を学習します。

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第4弾は古代南アラビア文字です。原シナイ文字から派生した文字で、フェニキア文字の兄弟に当たります。原シナイ文字とフェニキア文字の両方と比較しながら字形を学習します。

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