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外積代数と幾何積の内積部分

クリフォード代数の幾何積は内積外積の計算を含みます。幾何積の内積部分(幾何内積)と外積代数との対応を示します。

ある種の微分形式の計算を省力化することを目的としています。

以下の記事を前提としています。

幾何内積を用いればディラック作用素と余微分が対応付けられます。詳細は次回取り上げる予定です。

目次

概要

ホッジ双対とのウェッジ積で擬スカラーとして内積が得られます。


α∧\star β=⟨α,β⟩ω

ホッジスターの逆写像を使えばスカラーとして内積が得られます。


⟨α,β⟩=\star^{-1}(α∧\star β)

これを任意グレードに拡張して p-ベクトル α と q-ベクトル β の幾何内積 α⋅β を定義します。


α⋅β:=(-1)^{p(q-1)}\star^{-1}(α∧\star β)

マルチベクトルの基底は符号によって向き付けられた集合だと解釈できます。向きを取り除いた集合への写像 B を定義します。(B は英語basis「基底」の頭文字)


\begin{aligned}
B(1)&=\emptyset \\
B(e_{i_1}∧⋯∧e_{i_p})&=\{e_{i_1},⋯,e_{i_p}\}
\end{aligned}

幾何内積 α⋅β は条件 B(α)⊂B(β)、つまり α の基底が β の基底に含まれれば、αβ に共通する基底が縮約されて (q-p)-ベクトルとなります。条件を満たさなければ 0 です。

定義の右辺は複雑に見えますが、符号(向き)を取り除けば差集合に対応します。ホッジスター \star を補集合 {} ^ c、ウェッジ積 ∧ を和集合 ∪ として書き換えれば:


\star^{-1}(α∧\star β)\ →\ (B(α)∪B(β)^c)^c

ド・モルガンの法則より差集合となります。


(B(α)∪B(β)^c)^c=B(α)^c∩B(β)=B(β)\setminus B(α)

B(β)\setminus B(α)β の基底から α の基底を取り除いたものです。α⋅β(q-p)-ベクトルに対応します。基底の集合の要素数がグレードを表します。


|B(α)|=p,\ |B(β)|=q

|B(β)\setminus B(α)|=|B(β)|-|B(α)|=q-p

ここからは概要とは逆方向にたどって、集合からのアプローチで定義を組み立てます。

外積代数

外積代数と基底の集合との対応関係を考えます。

ウェッジ積

ウェッジ積 ∧ は和集合 ∪ に似た振る舞いをします。


e_1∧e_2\ →\ \{e_1\}∪\{e_2\}=\{e_1,e_2\}

【注意】ウェッジ積 ∧ と共通部分 ∩演算子の形が似ていますが、対応するのは和集合 ∪ です。

重複があれば 0 となる点が異なります。


e_1∧e_1=0\ \not→\ \{e_1\}∪\{e_1\}=\{e_1\}

重複を排除するという意味では和集合 ∪ よりも直和 \uplus に近いですが、幾何内積の条件から和集合を対応させても問題ありません。(後述)

ホッジ双対

単位擬ベクトルは全体集合に相当します。3次元を例にすれば:


ω=e_1∧e_2∧e_3\ →\ U=\{e_1,e_2,e_3\}

符号を無視すればホッジ双対は単位擬ベクトルに対する反転のため、補集合に相当します。


\star e_1=e_2e_3\ →\ \{e_1\}^c=\{e_2,e_3\}

幾何積

クリフォード代数での積は幾何積と呼ばれます。演算子は表記しません。同じ基底の幾何積は内積として計量になり、異なれば反交換となります。計量 1i≠j として:


e_ie_i=1,\ e_ie_j=-e_je_i

ウェッジ積は内積0 に退化した幾何積だと解釈できます。


e_i∧e_i=0,\ e_i∧e_j=-e_j∧e_i

内積以外の演算はウェッジ積と同一視できます。(外積


e_ie_j=e_i∧e_j

マルチベクトルの幾何積では、同じ基底を交換により隣接させて計量に変換します。


(e_1e_2)(e_1e_3)=e_1\underbrace{e_2e_1}_{\text{交換}}e_3=-\underbrace{e_1e_1}_1 e_2e_3=-e_2e_3

幾何内積

p-ベクトル α と q-ベクトル βB(α)⊂B(β) のとき、幾何積 αβαβ で共通する基底が縮約されて (q-p)-ベクトルとなります。


\underbrace{(e_1e_2)}_{\text{2-ベクトル}}\underbrace{(e_1e_2e_3e_4)}_{\text{4-ベクトル}}=-\underbrace{e_1e_1}_1\,\underbrace{e_2e_2}_1\,e_3e_4=-\underbrace{e_3e_4}_{\text{2-ベクトル}}

B(α)⊂B(β) の条件を満たす幾何積を幾何内積と呼んで演算子 ⋅ で表します。

【注意】幾何内積は一般的な用語ではありません。「幾何積の内積部分」とでも呼ぶべきものですが、長いので省略しました。

条件を満たさない場合は 0 とします。


(e_1e_2)⋅(e_1e_3)=0

一般的な内積は可換でスカラーです。しかし幾何内積は可換ではなく、重複する基底だけがスカラーとなり、それ以外の基底は残ります。

導出

幾何内積外積代数で表現することを考えます。

基底の集合

純化して基底の集合で考えます。

幾何内積 α⋅ββ の基底から α の基底を取り除きます。符号(向き)を無視すれば差集合として捉えられます。幾何内積が可換ではないことと差集合が可換ではないことが対応します。


α⋅β\ →\ B(β)\setminus B(α)

差集合は補集合 {} ^ c と共通部分 ∩ で定義されます。


B(β)\setminus B(α)=B(α)^c∩B(β)

外積代数で表現するにはウェッジ積を使う必要があります。ウェッジ積は和集合に対応するため、ド・モルガンの法則により共通部分を和集合に書き換えます。


B(α)^c∩B(β)=(B(α)∪B(β)^c)^c

幾何内積の条件 B(α)⊂B(β) より B(α)∩B(β) ^ c=\emptyset、つまり B(α)B(β) ^ c に共通部分はありません。そのためウェッジ積に対応させても基底が重複して 0 になることはありません。

補集合はホッジ双対に対応します。


(B(α)∪B(β)^c)^c\ →\ \star(α∧\star β)

これが基底の差集合に対応する外積代数の表現です。

ここまでの式変形をまとめます。


\begin{aligned}
α⋅β
→&B(β)\setminus B(α) \\
=&B(α)^c∩B(β) \\
=&(B(α)∪B(β)^c)^c \\
→&\star(α∧\star β)
\end{aligned}

符号

基底の集合では符号を無視しているため、そこから組み立てた外積代数の表現も符号を考慮していません。

符号の振る舞いを調べて調整する必要があります。

簡単のため計量を1、α を1-ベクトルとします。β は q-ベクトルです。α の基底は β の基底に含まれることを添え字で表現します。


\begin{aligned}
α&=e_{i_a}\ (1≤a≤q) \\
β&=e_{i_1}∧⋯∧e_{i_q}
\end{aligned}

\star β の基底は添え字を続けて i_{q+1}⋯i_n で表します。ホッジ双対によって発生する符号を基底の並べ替えで調べます。👉ホッジ双対


\begin{aligned}

σ_1&=\left(\begin{matrix}
    1&⋯&n \\
    i_1&⋯&i_n
    \end{matrix}\right) \\

\star β&=\mathrm{sgn}(σ_1)e_{i_{q+1}}∧⋯∧e_{i_n} \\

\end{aligned}

α∧\star βα\star β の前に付け足すだけです。


α∧\star β=\mathrm{sgn}(σ_1)e_{i_a}∧e_{i_{q+1}}∧⋯∧e_{i_n}

同様の手順で \star(α∧\star β) の置換を求めます。a が先頭に動いているのに注意します。ハットは取り除かれた要素を表し、上の行には対応する要素がないため空白にします。


\require{color}
\begin{aligned}

σ_2&=\left(\begin{matrix}
    1&⋯&⋯&⋯&⋯&⋯&&⋯&n \\
    \textcolor{red}{i_a}&i_{q+1}&⋯&i_n&i_1&⋯&\widehat{i_a}&⋯&i_q
    \end{matrix}\right) \\

\star(α∧\star β)
&=\mathrm{sgn}(σ_2)\mathrm{sgn}(σ_1)e_{i_1}∧⋯∧\widehat{e_{i_a}}∧⋯∧e_{i_n}

\end{aligned}

置換の積に分解します。👉2回適用 - 導出


σ_2=\left(\begin{matrix}
    i_1&⋯&⋯&⋯&⋯&⋯&&⋯&i_n \\
    \textcolor{red}{i_a}&i_{q+1}&⋯&i_n&i_1&⋯&\widehat{i_a}&⋯&i_q
    \end{matrix}\right)σ_1

i _ {q+1}⋯i _ n(n-q個)と i _ 1⋯\widehat{i _ a}⋯i _ q(q-1個)を入れ替えれば i _ 1⋯\widehat{i _ a}⋯i _ n となり、そこに先頭の a をはめ込めば、交換の回数から符号が求まります。


\begin{aligned}
\mathrm{sgn}(σ_2)\mathrm{sgn}(σ_1)
&=(-1)^{(n-q)(q-1)+(a-1)} \\
&=(-1)^{n(q-1)+a-1}
\end{aligned}

q(q-1) は偶数のため取り除けます。

ホッジスターの逆写像

かなり複雑な置換が現れました。これを単純化することを考えます。

ホッジスターとその逆写像の置換を比較すれば、次の形になります。👉逆写像


\begin{aligned}

\star&:\ \left(\begin{matrix}
    1&⋯&n \\
    \text{元の基底}&&\text{ホッジ双対の基底}
    \end{matrix}\right) \\

\star^{-1}&:\ \left(\begin{matrix}
    1&⋯&n \\
    \text{ホッジ双対の基底}&&\text{元の基底}
    \end{matrix}\right)

\end{aligned}

この関係を使えば \star^{-1}(α∧\star β) が求まります。i_a を動かすだけの簡単な置換です。


i_a\xrightarrow{q-a}i_a

\begin{aligned}

σ_3&=\left(\begin{matrix}
    i_1&⋯&&⋯&⋯&⋯&⋯&⋯&i_n \\
    i_1&⋯&\widehat{i_a}&⋯&i_q&\textcolor{red}{i_a}&i_{q+1}&⋯&i_n
    \end{matrix}\right)σ_1 \\

\star^{-1}(α∧\star β)
&=\mathrm{sgn}(σ_3)\mathrm{sgn}(σ_1)e_{i_1}∧⋯∧\widehat{e_{i_a}}∧⋯∧e_{i_n} \\
&=(-1)^{q-a}e_{i_1}∧⋯∧\widehat{e_{i_a}}∧⋯∧e_{i_n} \\

\end{aligned}

幾何内積

幾何内積 α⋅β の置換は β に含まれる α の基底を前に出します。


i_a\xleftarrow{a-1}i_a

\begin{aligned}

σ_4&=\left(\begin{matrix}
    i_1&⋯&⋯&&⋯&i_q \\
    \textcolor{red}{i_a}&i_1&⋯&\widehat{i_a}&⋯&i_q
    \end{matrix}\right) \\
α⋅β
&=e_{i_a}(e_{i_1}⋯e_{i_q}) \\
&=\mathrm{sgn}(σ_4)e_{i_a}(\textcolor{red}{e_{i_a}}e_{i_1}⋯\widehat{e_{i_a}}⋯e_{i_q}) \\
&=\mathrm{sgn}(σ_4)e_{i_1}⋯\widehat{e_{i_a}}⋯e_{i_q} \\
&=(-1)^{a-1}e_{i_1}⋯\widehat{e_{i_a}}⋯e_{i_q}

\end{aligned}

比較

ここまでに得られた結果を比較します。


\begin{aligned}

\star^{-1}(α∧\star β)
&=(-1)^{q-a}e_{i_1}∧⋯∧\widehat{e_{i_a}}∧⋯∧e_{i_n} \\

α⋅β
&=(-1)^{a-1}e_{i_1}⋯\widehat{e_{i_a}}⋯e_{i_q}

\end{aligned}

α⋅β\star^{-1}(α∧\star β) の関係が決まります。


\begin{aligned}

α⋅β
&=(-1)^{a-1}(-1)^{q-a}\star^{-1}(α∧\star β) \\
&=(-1)^{q-1}\star^{-1}(α∧\star β) \\

\end{aligned}

拡張

α を p-ベクトルに拡張して、基底の添え字を a _ 1⋯a _ p で表します。


α=e_{i_{a_1}}∧⋯∧e_{i_{a_p}}

1-ベクトルの置換は i _ ai _ q の後と先頭に動かします。


i_a\xleftarrow{a-1}i_a\xrightarrow{q-a}i_a

\begin{aligned}

σ_3&=\left(\begin{matrix}
    i_1&⋯&&⋯&⋯&⋯&⋯&⋯&i_n \\
    i_1&⋯&\widehat{i_a}&⋯&i_q&\textcolor{red}{i_a}&i_{q+1}&⋯&i_n
    \end{matrix}\right)σ_1 \\

σ_4&=\left(\begin{matrix}
    i_1&⋯&⋯&&⋯&i_q \\
    \textcolor{red}{i_a}&i_1&⋯&\widehat{i_a}&⋯&i_q
    \end{matrix}\right) \\

\end{aligned}

グレードが上がっても基本的には同じです。i _ 1⋯i _ q から α の基底を動かす際に i _ 1⋯i _ q に含まれるのと同じ順番に並べ替えると都合が良いので、並べ替えた添え字を a' _ 1⋯a' _ p とします。

i_{a' _ 1} から順番に1つずつ i _ q の後ろに動かせば逆順に並びます。


\begin{aligned}
i_{a'_1}\xrightarrow{\qquad\qquad q-a'_1}&&i_{a'_1} \\
i_{a'_2}\xrightarrow{\qquad q-a'_2}&&i_{a'_2}i_{a'_1} \\
i_{a'_3}\xrightarrow{q-a'_3}&&i_{a'_3}i_{a'_2}i_{a'_1}
\end{aligned}

\begin{aligned}
σ'_3&=\left(\begin{matrix}
    i_1&⋯&&⋯&&⋯&⋯&⋯&⋯&⋯&⋯&⋯&i_n \\
    i_1&⋯&\widehat{i_{a'_1}}&⋯&\widehat{i_{a'_p}}&⋯&i_q&\textcolor{red}{i_{a'_p}}&\textcolor{red}{⋯}&\textcolor{red}{i_{a'_1}}&i_{q+1}&⋯&i_n
    \end{matrix}\right)σ_1 \\

\mathrm{sgn}(σ'_3)
&=(-1)^{\sum_{i=1}^p(q-a'_i)}\mathrm{sgn}(σ_1)
 =(-1)^{pq-\sum_{i=1}^p a'_i}\mathrm{sgn}(σ_1)
\end{aligned}

i_{a' _ 1} から順番に1つずつ先頭に動かせば順番は維持されます。


\begin{aligned}
&i_{a'_1}&&\xleftarrow{a'_1-1}i_{a'_1} \\
&i_{a'_1}i_{a'_2}&&\xleftarrow{a'_2-1\qquad}i_{a'_2} \\
&i_{a'_1}i_{a'_2}i_{a'_3}&&\xleftarrow{a'_3-1\qquad\qquad}i_{a'_3}
\end{aligned}

\begin{aligned}
σ'_4&=\left(\begin{matrix}
    i_1&⋯&⋯&⋯&⋯&&⋯&&⋯&i_q \\
    \textcolor{red}{i_{a'_1}}&\textcolor{red}{⋯}&\textcolor{red}{i_{a'_p}}&i_1&⋯&\widehat{i_{a'_1}}&⋯&\widehat{i_{a'_p}}&⋯&i_q
    \end{matrix}\right) \\

\mathrm{sgn}(σ'_4)
&=(-1)^{\sum_{i=1}^p(a'_i-1)}
 =(-1)^{-p+\sum_{i=1}^p a'_i}
\end{aligned}

σ _ 3' の赤字の部分はホッジスターの逆写像を適用する手前の状態を反映しています。そのため事前に αi _ 1⋯i _ q に含まれるのと逆順に置換しておきます。


\begin{aligned}

σ_5&=\left(\begin{matrix}
    i_{a_1}&⋯&i_{a_p} \\
    i_{a'_p}&⋯&i_{a'_1}
    \end{matrix}\right) \\

α'
&=\mathrm{sgn}(σ_5)α
 =e_{i_{a'_p}}∧⋯∧e_{i_{a'_1}}

\end{aligned}

こうすれば幾何内積α'\tilde α'=|α|^2 の形になるため都合が良いです。

以上より p-ベクトル版の置換は次のようになります。


\begin{aligned}

\star^{-1}(α∧\star β)
&=\mathrm{sgn}(σ_5)\star^{-1}(α'∧\star β) \\
&=\mathrm{sgn}(σ_5)\mathrm{sgn}(σ'_3)\mathrm{sgn}(σ_1)e_{i_1}∧⋯∧\widehat{e_{i_{a'_1}}}∧⋯∧\widehat{e_{i_{a'_p}}}∧⋯∧e_{i_n} \\
&=\mathrm{sgn}(σ_5)(-1)^{pq-\sum_{i=1}^p a'_i}e_{i_1}∧⋯∧\widehat{e_{i_{a'_1}}}∧⋯∧\widehat{e_{i_{a'_p}}}∧⋯∧e_{i_n} \\

α⋅β
&=\mathrm{sgn}(σ_5)α'⋅β \\
&=\mathrm{sgn}(σ_5)\mathrm{sgn}(σ'_4)e_{i_1}⋯\widehat{e_{i_{a'_1}}}⋯\widehat{e_{i_{a'_p}}}⋯e_{i_n} \\
&=\mathrm{sgn}(σ_5)(-1)^{-p+\sum_{i=1}^p a'_i}e_{i_1}⋯\widehat{e_{i_{a'_1}}}⋯\widehat{e_{i_{a'_p}}}⋯e_{i_n}

\end{aligned}

これをまとめれば \mathrm{sgn}(σ _ 5)\sum_{i=1} ^ p a' _ i は消えて単純な形になります。


\begin{aligned}

α⋅β
&=(-1)^{-p+\sum_{i=1}^p a'_i}(-1)^{pq-\sum_{i=1}^p a'_i}\star^{-1}(α∧\star β) \\
&=(-1)^{p(q-1)}\star^{-1}(α∧\star β)

\end{aligned}

p=1 で既に求めた式と一致します。


α⋅β=(-1)^{q-1}\star^{-1}(α∧\star β)

計量

ここまでは計量 1 で計算しましたが、左辺と右辺では縮約により発生する計量 |α| ^ 2 が等しいため、任意の計量で成り立ちます。


\begin{aligned}

\star^{-1}(α∧\star β)
&=\mathrm{sgn}(σ_5)(-1)^{pq-\sum_{i=1}^p a'_i}|α|^2e_{i_1}∧⋯∧\widehat{e_{i_{a'_1}}}∧⋯∧\widehat{e_{i_{a'_p}}}∧⋯∧e_{i_n} \\

α⋅β
&=\mathrm{sgn}(σ_5)(-1)^{-p+\sum_{i=1}^p a'_i}|α|^2e_{i_1}⋯\widehat{e_{i_{a'_1}}}⋯\widehat{e_{i_{a'_p}}}⋯e_{i_n} \\
&=(-1)^{p(q-1)}\star^{-1}(α∧\star β)

\end{aligned}

内積

α∧\star β はホッジ双対によって擬スカラーとして内積を得る式です。👉ホッジ双対

1 のホッジ双対は単位擬スカラー ω で、その逆演算は次元や計量に関係なく 1 です。


\star 1=ω,\ \star^{-1}ω=1

αβ のグレードが同じであれば p(q-1) は常に偶数となるためスカラーとして内積が得られます。


α⋅β=\star^{-1}(α∧\star β)=⟨α,β⟩

使い方

\star^{-1}(α∧\star β) のパターンは、クリフォード代数のやり方で α⋅β を計算して符号を調整すれば、まともにホッジ双対を計算するよりも大幅に省力化できます。

それが顕著に表れるのが余微分です。次回はそれを取り上げます。