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『神曲』の要約

Claude でダンテ『神曲』の全篇(地獄篇・煉獄篇・天国篇)を要約しました。

ダンテの『神曲』における地獄、煉獄、天国
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lingua.connpass.com

ダンテ『神曲』シリーズの記事です。

第 1 部

  1. 『神曲』のラテン語訳
  2. 『神曲』の英訳
  3. 『神曲』冒頭の多言語訳
  4. 『神曲』冒頭をフレーズごとに音読
  5. 神曲』の要約 ← この記事

第 2 部

目次

注意事項

この記事は『神曲』のネタバレを含みます。また、AI による要約のため正確さは保証できません。

先に本文を読みたい方はご注意ください。

日本語訳をリンクしておきます。

Claude

Claude は要約を得意とするチャット AI です。詳細は以下の記事を参照してください。

出典

Claude には Longfellow による英訳を読み込ませました。

www.gutenberg.org

要約全体は以下にあります。英語の原文やチャットのログもあります。

  1. https://github.com/7shi/dante-la-el/blob/main/summaries/1-inferno-ja.md
  2. https://github.com/7shi/dante-la-el/blob/main/summaries/2-purgatorio-ja.md
  3. https://github.com/7shi/dante-la-el/blob/main/summaries/3-paradiso-ja.md

箇条書き部分を省略して引用します。

地獄篇

Dante's journey through the nine circles of Hell
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ダンテの『地獄篇』は、14世紀に書かれた叙事詩神曲』の第一部である。ダンテがローマの詩人ウェルギリウスに導かれ、地獄の9つの輪を巡る想像上の旅を描いたものである。『地獄篇』は、地獄を精巧に組織化された領域として鮮やかに描き、そこでは罪人たちがその罪を映す皮肉な罰を永遠に受ける。

『地獄篇』は、罪を寓意的に表す暗い森に迷い込んだダンテから始まる。ダンテは獣に襲われるが、ウェルギリウスに助けられる。ウェルギリウスは、ダンテが天国にいる最愛の人、ベアトリーチェの使いだと言う。ウェルギリウスは、ダンテの唯一の道は地獄を旅することだと言う。二人は地獄の第1圏であるリンボに入るが、そこは高潔な異教徒と洗礼を受けていない赤ん坊の住処である。そこは陰惨というより、むしろ物悲しい場所である。

第2圏では、欲望にまみれた者たちが強風にあおられ、激しく往復する。第3圏では、大食漢は泥の中に横たわらなければならない。第4圏には、貪欲で浪費家の者たちが重たい岩で馬上槍試合をする。第5圏では、怒りっぽい者たちが泥だらけのスティクス川で戦い合う。

下位の輪では、罪と罰がますます下劣で非人間的になっていく。異端者たちは、第6圏で燃える墓に閉じ込められる。第7圏では、凶暴な者がフレゲトンの煮えたぎる血の川に沈められる。第8圏では、さまざまな詐欺師が10の嚢に幽閉される。

裏切り者は第9圏の4つの円に住む: 家族を裏切る者はカイーナ、国を裏切る者はアンテノーラ、客を裏切る者はトロメーア、領主や恩人を裏切る者はジュデッカだ。サタン自身はここで腰まで氷の中に閉じ込められている。サタンの体を降りたダンテとウェルギリウスは、再び星空を見に現れる。

ダンテは、崖、川、嚢、峡谷、裂け目など、地獄の変化に富んだ地形に、想像力豊かな罪人たちを配し、その多くは名指しされている。罰は、その罪を象徴的に映し出したり、似せたりして、コントラパッソとなるように精巧に、さらには悪魔的に考えられている。生き生きとした感覚的描写が地獄をリアルに感じさせる。

『地獄篇』は、キリスト教における地獄の重要な概念を確立した。ダンテの豊かで象徴的な描写、想像力豊かな風景、特定の罪人の配役は、死後の世界に関する西洋のイメージに絶大な影響を与えた。この作品は、神の正義に関する深遠で創造的なビジョンであり続けている。

要約
1 暗い森に迷い込んだダンテは3匹の獣に怯えるが、そこにローマ時代の詩人ウェルギリウスの霊が現れ、ダンテに恐怖を克服するよう勧める。
2 ダンテはウェルギリウスに従うが、自分が旅にふさわしいかどうか疑問に思う。しかし、ウェルギリウスはダンテを助けるために天の使いが遣わしたと断言し、ダンテの自信を回復させる。
3 暗い森に迷い込んだダンテは、ウェルギリウスと共に地獄に入る前に、すべての希望を捨てなければならないと警告している地獄の門に刻まれた碑文を読む。
4 恐怖と疑念に打ちのめされたダンテは、ウェルギリウスの、この地獄の旅は神の意志によるものだという推論に励まされながら、高貴な異教徒たちが集うリンボの外輪に降りていく。
5 第2圏に入ると、ダンテは、肉欲に溺れた罪人たちが、ミノスの裁きの中で、それぞれの陰の地獄への配置をめぐって、無力な情念を象徴する激しい風にあおられるのを目撃する。
6 第3圏の冷たい雨が降り続く中、ダンテは同郷のチャッコとフィレンツェの争いを予言し、ウェルギリウスが幸運の気まぐれな贈り物について講義する。
7 ダンテはウェルギリウスと共に三途の川を渡り、ディスの城壁に近づくと、敵のフィリッポ・アルジェンティが怒れる沼の精霊に引き裂かれるのを見て喜ぶ。
8 ディスの城壁から、堕落した天使たちがダンテの通過を叱責するが、天使の使いが素早く到着し、反抗的な門を開いて下界へのアクセスを許可する。
9 城壁の上でメデューサの石化したまなざしを垣間見た後、ダンテはディスにある異端者たちの燃え盛る墓に入り、同郷のファリナータが炎の墓から蘇るのに出会う。
10 誇り高きファリナータの影とフィレンツェの確執について会話していたダンテは、息子のグイドが詩人と一緒にいないことを取り乱しているカヴァルカンテ・デ・カヴァルカンティに出会う。
11 ダンテとウェルギリウスは異端者のいる第6圏に入り、教皇アナスタシウスの墓を見る。
12 ダンテはミノタウロスと、暴力的な者が罰せられる血の川を見る。
13 自殺者が木になった森で、ダンテは枝を折って血を流し、人間の過去を語る。
14 ダンテはブルネット・ラティーニをはじめとする淫婦たちに出会い、フィレンツェの過去を讃え、ウェルギリウスに促されて足早に先へ進む。
15 ウェルギリウスは怪物ゲリュオンを指し示す。ゲリュオンは彼らを詐欺の世界へと誘い、ダンテはパドヴァの商人たちを見る。
16 ダンテは暴力で罰せられた3人のフィレンツェの貴族と話す。
17 ウェルギリウスはダンテに、詐欺師ゲリュオンの人間、獣、蛇の姿を見せる。
18 マレボルゲで、ダンテはヴェネディコ・カッチャネミコを含む欺く者たちが鞭打たれるのを見る。
19 ダンテは、教皇ボニファティウス8世が堕落した教皇を穴の中で逆さまに罰するというシモニーを行ったことを叱責する。
20 ウェルギリウスは、有名な占い師や占星術師が、先を見ようとしすぎて首を後ろにひねっているのを指摘する。
21 ダンテとウェルギリウスは、悪徳政治家を煮えたぎるピッチに投げ込む悪魔マレブランシュに遭遇する。一人の悪魔が襲いかかろうとするが、ウェルギリウスが叱責したため、二人は悪魔たちに守られながら地獄を進む。
22 ダンテは煮えたぎるピッチに浸かる罪人たちを見る。一人の罪人が、悪魔に取り押さえられる前に、汚職と裏切りについて語る。ダンテは苦しむ罪人たちに同情する。
23 ダンテとウェルギリウスはカエルとネズミのイソップ寓話を思い出しながら、黙々と進む。二人は地獄で苦しむ偽善的な修道士に出会い、ボローニャから来た二人と話す。十字架にかけられた罪人が自分の話をする。
24 ダンテは悪魔に取りつかれた罪人を見る。その罪人ヴァンニ・フッチは泥棒で、他人を誤って非難していた。彼は蛇に襲われる前に、ピストイアとフィレンツェの政争を予言する。
25 ダンテは罪人たちが爬虫類に変身し、蛇と悪魔に襲われるのを見る。3人の罪人が盗みの罰として奇妙な変身を遂げ、ハイブリッド生物に変身する。ダンテはその奇妙な変身を説明するのに苦労する。
26 ダンテとウェルギリウスは地獄の第8圏に下り、詐欺師のカウンセラーの中でユリシーズとディオメデスが処罰されているのを見つける。
27 グイド・ダ・モンテフェルトロとピエール・ダ・メディチーナの魂がダンテに語りかけ、前者は教皇ボニファティウス8世に不正な助言をしたことを語り、後者は二人の男の裏切りと溺死を予言する。
28 ダンテは切断された魂を目撃する。そのうちの一人はダンテの身元を尋ね、ダンテが生きていることを知ると、異端の修道士に警告するよう告げる。
29 ウェルギリウスはダンテに、時間がないのでぞっとするような光景を長居しないよう促す。ダンテは魂の中に親戚のジェリ・デル・ベッロを見かけるが、偽りの者たちの最後の裂け目に到着する前に彼に話しかけることはなかった。
30 ダンテは、自分の体を切り裂きながら、恐ろしい病に苦しむ偽物と偽造者に出会う。イタリアの二人の錬金術師と話し、ポティファルの妻とギリシアシノンの些細な口論を目撃する。
31 ダンテとウェルギリウスは、罪人が氷の中に閉じ込められた凍った湖である地獄の第9圏に入り、ニムロドやアンタイオスを含む巨人たちとすれ違いながら、さらに下っていく。
32 第9圏の最後の円で、ダンテは、裏切り行為のために完全に氷に包まれたボッカとウゴリーノを含む罪人たちと話をする。
33 ウゴリーノは、ルッジェーリ大司教の裏切りによって、自分と息子たちが牢獄で餓死した悲劇を語る。
34 ダンテは地獄の中心でサタンが腰まで凍っているのを見る。サタンの体を伝って地球の核に到達し、反対側の煉獄山のふもとに出る。

煉獄篇

Dante and Virgil ascending the mountain of Purgatory
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ダンテの『煉獄篇』は、彼の叙事詩神曲』の中で、『地獄篇』に続き、『天国篇』に先立つ2番目のカンティカである。タイトルが示すように、ダンテが煉獄(キリスト教でいう死後の世界で、悔い改めた魂が懺悔を受け、罪を清めてから楽園に昇る領域)を想像しながら旅する様子を描いている。

ウェルギリウスはダンテを煉獄の山へと導く。麓では、暴死した魂や悔い改める機会のなかった魂で満たされた前煉獄を通過する。さらに上には7つの段々畑があり、そこでは魂が高慢から欲望まで7つの大罪を順番に祓う。ダンテは、懺悔者たちが謙虚さと節度を学ぶ中で、彼らの苦しみと、美徳が悪徳に打ち勝つ好例を目の当たりにする。

途中、ダンテは亡くなった知人や有名人と会話し、彼らの罪、恵みによる贖罪、救いへの希望についての話を聞く。地上の楽園の頂上で、ダンテは失くした恋人ベアトリーチェと再会する。彼女はダンテの最後の登攀のガイドとなり、道徳的義務と精神的理想を強調する。彼女の美と知恵がダンテの変容を促す。

『煉獄篇』は、道徳的な混乱から精神的な明晰さへの道をたどり、人間の成長の可能性を強調する。『地獄篇』が罪と腐敗を暴いたのに対し、『煉獄篇』は救済と癒しを見出す。その中心テーマは、罪は誤った愛から生じるが、正しく秩序づけられた愛は人を神へと近づけるというものだ。矯正された魂たちは、ダンテが浄化されて昇天できるよう、道徳的美徳と神学を教育する。

この詩は、哲学的、社会的、政治的に深い意味を持つ寓話として構成されている。昇天の試練は、道徳的向上への内的葛藤を表すと同時に、激動の14世紀にイタリアと教会が直面した歴史的課題でもある。ダンテが出会う魂たちは、社会、信仰、政治、人類の目的といった問題と結びついた、道徳的健康のさまざまな状態を象徴している。

『煉獄篇』は、ダンテの悪、罪悪感、苦悩の探求を続けながら、修復と救済へと向かう。この作品は、ダンテ自身の精神的悟りへの道についての極めて個人的な物語であると同時に、政治力学、自由意志についての哲学的視点、そして個人的・地球的規模の道徳的正義に向けた神の監視の下で展開する歴史のビジョンについての包括的な分析でもある。

要約
1 地獄を抜け出したダンテは、ローマの詩人ウェルギリウスに導かれて煉獄の海岸に到着する。
2 ダンテは、煉獄山で罪を清める準備をする天使を連れた一艘の魂の劇的な到着を目撃し、ガイドのウェルギリウスに先を促される。
3 ダンテとウェルギリウスは旅の途中、ダンテがまだ生きていることを認識し、なぜそこにいるのかと問う魂たちに出会う。そして、ダンテが地上に戻る際に汚名を晴らしてほしいと頼んだのがマンフレッドの孫だったことを知る。
4 ダンテは山を登るのに苦労し、休息するために立ち止まる。ベラクアという古い知人を含め、前煉獄にいる魂に出会い、魂は地上で悔い改めるのが遅れたのと同じくらい煉獄に入るのを待たなければならないと説明する。
5 他の魂たちは、人影を落とすダンテに注目し、彼がまだ生きていることに驚嘆する。一方、あるグループは、祈りを生者のもとへ運んでくれるようダンテに懇願し、2人の霊は、自分たちが滅びた激しい方法を明かす。
6 ダンテは、歴史上の人物や伝説上の人物など、亡くなった魂と出会い、話をする。その魂は、現代の指導者たちに欠けている道徳的な対照として機能し、政治的な失敗に対する非難を促す。
7 ダンテは、亡くなった王や指導者たちの霊に出会う。彼らは自らを清める一方で、現在の支配者たちの道徳心指導力の欠如を浮き彫りにする基準を提供し、ヨーロッパの不十分な統治に憤りを覚える。
8 ダンテは、マラスピーナ一家に対するダンテの将来の高い評価についての予言を伝えた者を含む魂と出会い、話をする。
9 天使の守護者を通り過ぎ、罪の象徴である額の傷を受けて煉獄の門に入ったダンテは、神聖な聖域への入場にふさわしい天上の音楽に迎えられる。
10 聖書の芸術で飾られた危険な高い山の岩棚を歩くダンテは、傲慢な魂が巨大な石の重みで屈み、罪を清めるのを見る。
11 悔い改めた魂たちは、煉獄の山を登る際に神に救いと導きを求めながら、主の祈りを祈る。
12 ダンテは、ウェルギリウスが嫉妬を浄化する通過する声を説明する前に、目を縫われ天に懇願する魂に会う前に、高慢に対する神の報復の例を描いた彫刻を足下に見る。
13 第2階層で、ダンテは肉体のない声で悪徳を戒める声を聞く。ウェルギリウスは、嫉妬が浄化された例だと言い、ダンテをさらに悔悛の念に満ちた陰影へと導く。
14 グイド・デル・ドゥーカとリニエリ・ダ・カルボリの魂は、イタリアの多くの地域で没落した貴族と美徳を嘆き、ロマーニャの衰退を語り、ダンテの孫の血なまぐさい行為を予言する。
15 天使がダンテとウェルギリウスを第3のテラスに誘い、その背後で祝福の歌声が響く。ウェルギリウスは後にダンテに天の慈愛を説くが、その前に慈悲の幻影を見、過ちから目覚めると濃い煙の中にいた。
16 息苦しい煙の中に迷い込んだダンテはウェルギリウスに導かれ、希望に満ちた魂が神を賛美する声を聞く。
17 エスの残酷な死を示す幻影を見たダンテは、神の意志の神秘について考えるが、ウェルギリウスはそのような調停はベアトリーチェのより高い理解を待つべきだと言い、天使に誘われるまま二人は上へと進む。
18 ウェルギリウスは、真の自由意志が許すように、間違った方向へ導かれることもあるが、理性によって美徳へと導かれるべき愛の起源を説明する。
19 醜悪なセイレーンの夢の後、ダンテとウェルギリウスは天使に導かれて険しい崖を通り抜ける。
20 登山の途中、ダンテは貪欲に反対し、清貧と慈愛を求める叫びを聞く。後に彼は、フランスと教皇領の問題を予言しながらも、神の正義を願うヒュー・カペと話す。夜、山は揺れ、ダンテの多くの疑問が解決する。
21 ダンテはローマの詩人スタティウスの霊に出会う。スタティウスは、なぜ山が先に揺れたのか、それは彼自身の浄化された魂が上昇する準備ができていたからだと説明する。
22 ウェルギリウスは、以前の貪欲さについての質問に対し、彼の明らかな悪癖は実は過剰な寛大さであり、今は浄化によって貪欲さが治ったのだと説明する。
23 ダンテは友人フォレーゼの飢えた精神を目の当たりにする。彼は妻の徳のおかげで罪を速やかに清算できたと信じ、フィレンツェの淫乱な女たちの改革を予言する。
24 ダンテは、詩人ブオナギウンタ・ダ・ルッカと彼の案内人ウェルギリウスと、フォレーゼが天国へ向けて急発進する中、ダンテの詩的スタイルが以前の詩人を凌駕していることについて話す。
25 霊魂の肉体についてのダンテの疑問に答えるため、ウェルギリウスとスタティウスは発生学と、魂がどのように生まれ、肉体に入り、死とともに去り、死後の世界で陰影を伝え、その能力を今も形成しているのかを説明する。
26 ダンテとウェルギリウスは、ダンテの異様な肉体的存在について議論している最中に、欲望の例を呼びかける魂が炎に包まれる場面に遭遇する。グイド・ギニチェッリという名の一人は、もう一人の詩人アルノート・ダニエルを特定し、ダンテに帰国したら彼のことを覚えていてほしいと頼む。
27 ダンテ、ウェルギリウス、スタティウスは、天使の誘いと歌に導かれ、浄化された炎の中を地上の楽園へと昇る階段へと登っていく。
28 地上の楽園の香りに包まれた森に入ったダンテは、花を集めている女性に出会う。彼女はプロセルピナを彷彿とさせる女性で、二人を隔てる神の流れレテの向こうで歌っていた。
29 ダンテは、燭台、聖人、旧約聖書の生き物、グリフィンと戦車、ニンフと長老など、神の行列を目撃する。
30 ウェルギリウスは、ベアトリーチェがダンテが自分の導きから外れていることを怒って問いただし、レテとユーノエを横切って懺悔と断罪を受けるまで、ダンテを失神させたまま出発する。
31 意識を取り戻したダンテは、ベアトリーチェが救世主のように自分を救おうと努力したことを説明するのを呆然と見つめる。
32 ベアトリーチェに感嘆したダンテは、次に鳥、狐、鷲、娼婦、巨人が戦車に現れ、行列が激しく乱されるのを目撃する。
33 乙女たちが涙ながらに歌った後、ベアトリーチェは神の使者を通して正義が訪れると予言し、まだ目覚めの鈍いダンテを叱責する。

天国篇

Dante and Beatrice ascending through the celestial spheres
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神の叡智と神学の象徴である理想的なミューズ、ベアトリーチェに導かれ、ダンテは『神曲』における最後の昇天を天上界で果たす。月、水星から土星までの惑星、恒星、そして最後にすべてを司るプリュムモービルに関連する天の同心円を通り抜けるとき、ダンテは至福と完全の状態にある祝福された魂たちに出会う。ダンテの魂は、人間には計り知れない神の神秘を目の当たりにし、畏敬の念に震える。

驚くダンテをベアトリーチェはまず月に導き、地上の変転を反映する見かけの傷の謎を解明する。道徳的な十字軍の本拠地である水星天では、祝福された魂ユスティニアヌスが、歴史の波乱を支える摂理と調和についてダンテに詳しく説明する。次に金星天に現れる恋人クニッツァ・ダ・ロマーノは、天上の喜びが有限の情念を凌駕することを示す。ここでダンテはまた、トルバドゥールのフォルケ・ド・マルセーリャと社会の不正や聖なる十字軍について会話する。

太陽の輝く球体に到着したダンテは、知恵の博士トマス・アクィナスアルベルトゥス・マグヌス、グラティアヌスらに出会う。彼らは神学の世俗的堕落を嘆く。火星の赤い天には十字軍のカッチャグイーダがおり、ダンテにフィレンツェ追放の危機を警告する。正義の目ユピテルでは、ダンテは聖人たちが神の正義を賛美する天文を書くのを見る。彼は祖先のカッチャグイダから、神の全知全能にもかかわらず、誘惑は天の自由から生じることを学ぶ。

土星の観想天で、ダンテは聖ベネディクトや聖ペテロ・ダミアンのような禁欲主義者と話す。恒星の輝く領域にある聖人や天使たちの天の梯子の中で、ダンテは天の始祖アダムに会う前に、聖ペテロに信仰について吟味される。宇宙を束ねるプリムモービルの輪舞の中で、ダンテは神の光を崇める輝く天使の階層を見る。純粋な光と神の現存する神秘的なエンピレアの天国を通り、ダンテは聖女マリアと聖人たち、アダムの祝福された子孫に栄光を歌う巨大な天使の聖歌隊を通り過ぎる。ダンテが無限の永遠の愛を見つめるとき、彼のビジョンは超越的で普遍的な真理でクライマックスを迎える。ダンテの至高の詩的ビジョンを支える究極の起源、目的、至福は、すべての被造物の多様性の根底にある秩序を、自らの善意によって束縛する光である。

要約
1 詩人はアポロに霊感を求め、愛するベアトリーチェに導かれて天上の楽園に昇る幻影を語る。
2 詩人は、何人かの従者が彼と一緒に航海し、他の従者には引き返すよう警告したことを語り、ベアトリーチェとともに月の球体に到着し、壮大な光景を理解するのに苦労したことを描写する。
3 ベアトリーチェが、彼らは誓いを破ったが、今は楽園で幸せに暮らしていると説明する前に、詩人は魂の幻影を見る。
4 ベアトリーチェが天界における霊的な位置づけと、誓いに対する暴力が恐怖によってどのように緩和されるかを説明し、明白な矛盾を和解させる前に、詩人は内心で質問の間で葛藤し、沈黙する。
5 詩人の切実な問いに答えて、ベアトリーチェは神と交わした誓いにおける自由意志の計り知れない価値を論じ、そこに含まれる精神的なトレードオフを知らずに代用することに反対し、嘲笑に値しないように聖なる契約を冷静に検討するようキリスト教徒に諭す。
6 ユスティニアヌスはダンテにローマ帝国の歴史と意義、その遺産について語り、4つの文で対立する政治的派閥を批判する。
7 ベアトリーチェは、アダムの罪に対する神の復讐とキリストの犠牲による贖罪の正義を説明し、神は嫉妬をはねのける善を惜しみなく与えると言う。
8 ダンテは金星に昇り、シャルル・マルテルの霊に出会う。シャルルは指導者たちの貪欲さと稚拙な統治を批判し、ダンテは甘い起源がいかに苦い結果を生むかを考える。
9 クニッツァとラハブは金星天に現れ、前者はイタリアの都市間の対立を予言し、後者は地上の権力のために福音書を軽視するローマを批判する。
10 ダンテは太陽から宇宙秩序の深遠な芸術を見つめ、神の恩寵とビジョンを賛美する賢明な神学者たちに出会い、理解を超えた歓喜の知恵を美しく歌う精霊たちの声を聞く。
11 ダンテは、天上の至福に比べれば世俗的な追求は無意味であることを考え、その後、教会の導き手であるアッシジのフランチェスコと、彼の霊的な清貧と愛への完全な献身について語る解明的な霊を聞く。
12 ダンテは、異端と闘い、教会を正しい方向に導いた精神的指導者ドミニコを称賛するために、回転する精霊の明るい輪を見る。
13 ダンテが同心円状の見事な霊の輪を思い描くのを助けようとすると、光はキリストとマリアの中に神の光が他を凌駕して完璧に注入されていることを説明する。
14 霊魂たちは、銀河のような十字架と、筆舌に尽くしがたい崇高な美の不協和音に包まれたダンテの後姿を見て、復活した自分たちが視覚と輝きを増すことを歌って喜ぶ。
15 フィレンツェのかつての節制と無傷の家族、カッチャグイーダ自身の洗礼と殉教、街の指導力の悪化を可能にした教会の責任について述べる前に、精霊がダンテに沈黙の精霊の祈りを否定することができるかと尋ねる。
16 ダンテは祖先のカッチャグイダに自分の出自と家族の歴史について尋ねる。
17 カッチャグイーダは、ダンテがフィレンツェから追放され、不当な扱いを受けることになることを予言し、励まし、名声を恐れずに自由に書くよう勧める。
18 ベアトリーチェはダンテの視線を、十字軍の兵士やヨシュアのような戦士の形をした、天に舞う光に向ける。
19 ダンテは、神の正義を体現すると語る正義の魂で構成された巨大な鷲を観察し、現代のキリスト教の王たちの失敗を裁き、神の裁きに対する人間の理解の限界を宣言する。
20 ダンテは、鷲が宿命の謎を説明する前に、聖書の人物に加え、信仰と美徳によって救いを得たトロイア人リフェウスのような異教徒を含む、聖なる魂が鷲の中で目の形に光るのを見る。
21 ダンテは太陽の下の第七の天へと昇り、そこでベアトリーチェにその輝きを見つめると焼死しかねないと警告され、聖ベネディクトの魂と神聖な奉仕について話す。
22 ベアトリーチェはダンテを慰め、正しい復讐を示した後、教会の腐敗を批判する聖ベネディクトを含む輝く魂に視線を向ける。
23 天国を待ち望むダンテは、神の叡智と力の強烈な輝きに導かれてキリストに栄光を捧げる群衆を見、ベアトリーチェは聖なる微笑みを見せる。
24 天使たちが聖母マリアの賛美を歌いながら回転し、聖ペテロの照らされた魂がダンテの信仰を調べ、聖典と奇跡にしっかりと根ざした彼の信念を承認する。
25 ヤコブはダンテに、アダムと洗礼者ヨハネを表すと思われる光が踊る前に、目に見えない栄光の証拠によって定義される希望について質問する。
26 ダンテは神の神聖な光についてのビジョンを回復し、自分の愛と理解がいかに最高の善を目指し、哲学、権威、世界の創造、キリストの犠牲、すべての信仰者の希望に影響されているかを説明する。
27 一人の霊が最近の教皇の堕落を非難し、天を真紅に染めた後、人類の道を正すために神の嵐によって援助がもたらされると預言する。
28 ベアトリーチェはダンテに、神を中心に同心円が高速回転していること、さまざまな天使が賛美を歌っていること、天界の完璧さと地上での混乱した哲学とがいかに対照的であるかを説明する。
29 ベアトリーチェは、神が時間の外で天使の創造へと展開し、物質、形態、存在が階層的に即座に流れ出たと語る。
30 ベアトリーチェによれば、ダンテは天国の知的な光に到達し、天使と祝福された魂がひとつになるのを見る。
31 ダンテは、祝福された魂の天のバラ、空飛ぶ天使の歌声、輝く微笑みの光景を目にし、激動する地上を優しく見守ってくれるよう訴える。
32 老人は天の円を示し、ダンテにベアトリーチェを遣わしたことを告げる。ベアトリーチェは遠い隔たりを越えた存在界からダンテに微笑みかける。
33 聖ベルナールはマリアに、神が人となることによって人間に与えられた気高さについて祈り、ダンテが神の深みで統一された円のヴィジョンを語る前に、最高の喜びを見ることができるよう恵みを求める。