DeepLなど機械翻訳でプルースト『失われた時を求めて』の冒頭を日本語訳して比較します。
シリーズの記事です。
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- DeepLによるプルーストの重訳を比較
- DeepLによる重訳の有効性を評価
- 複数の機械翻訳を組み合わせて訳文を作る
- プルースト『失われた時を求めて』冒頭
目次
概要
プルースト『失われた時を求めて』は全7篇から構成される長編小説です。
フランスではカミュ『異邦人』と並んで20世紀の代表作だと評価されています。
両作品ともに冒頭は有名で、フランス語版 Wikipedia には独立した項目があります。
プルーストの文体の特徴について引用します。
『失われた時を求めて』は長さが長大なだけでなく、1つの文章も非常に息が長く、隠喩(メタファー)の多い文体となっている。
Project Gutenberg で公開されている第1篇『スワン家のほうへ』のフランス語原文の冒頭を引用します。
Longtemps, je me suis couché de bonne heure. Parfois, à peine ma bougie éteinte, mes yeux se fermaient si vite que je n'avais pas le temps de me dire: «Je m'endors.» Et, une demi-heure après, la pensée qu'il était temps de chercher le sommeil m'éveillait; je voulais poser le volume que je croyais avoir encore dans les mains et souffler ma lumière; je n'avais pas cessé en dormant de faire des réflexions sur ce que je venais de lire, mais ces réflexions avaient pris un tour un peu particulier; il me semblait que j'étais moi-même ce dont parlait l'ouvrage: une église, un quatuor, la rivalité de François Ier et de Charles Quint. Cette croyance survivait pendant quelques secondes à mon réveil; elle ne choquait pas ma raison mais pesait comme des écailles sur mes yeux et les empêchait de se rendre compte que le bougeoir n'était plus allumé. Puis elle commençait à me devenir inintelligible, comme après la métempsycose les pensées d'une existence antérieure; le sujet du livre se détachait de moi, j'étais libre de m'y appliquer ou non; aussitôt je recouvrais la vue et j'étais bien étonné de trouver autour de moi une obscurité, douce et reposante pour mes yeux, mais peut-être plus encore pour mon esprit, à qui elle apparaissait comme une chose sans cause, incompréhensible, comme une chose vraiment obscure. Je me demandais quelle heure il pouvait être; j'entendais le sifflement des trains qui, plus ou moins éloigné, comme le chant d'un oiseau dans une forêt, relevant les distances, me décrivait l'étendue de la campagne déserte où le voyageur se hâte vers la station prochaine; et le petit chemin qu'il suit va être gravé dans son souvenir par l'excitation qu'il doit à des lieux nouveaux, à des actes inaccoutumés, à la causerie récente et aux adieux sous la lampe étrangère qui le suivent encore dans le silence de la nuit, à la douceur prochaine du retour.
専門家による翻訳は、以下の試し読みに含まれます。後で比較のため引用します。
フランス語の原文を4種類の機械翻訳に掛けて比較します。
DeepLは訳文全体を載せます。それ以外の機械翻訳は文ごとに並べて比較します。
DeepL
長い間、早々に寝てしまいました。時々、ロウソクが消えるとすぐに目が閉じてしまい、"眠りに落ちる "と言う時間がないほどでした。そして30分後、そろそろ寝る時間だと思っていた私は目が覚めました。まだ手にしていると思っていた本を置いて、明かりを消したかったのです。この信念は、私が目を覚ましたときに数秒だけ生き残った。それは私の理性にショックを与えることはなかったが、それは私の目に体重計のように重くのしかかり、キャンドルホルダーがもはや点灯していないことに気づくのを妨げた。本の主題は私から切り離され、私はそれに自分自身を適用するかしないかは自由であった。すぐに私は視力を回復し、私の周りに、私の目には柔らかくて安らかな暗闇を見つけて非常に驚いたが、おそらくそれ以上に私の精神にとっては、それが原因のないもののように見えた。電車の汽笛が聞こえてきて、それは多かれ少なかれ遠く、森の中の鳥の鳴き声のように、距離を縮めながら、旅人が次の駅に向かって急いでいる荒涼とした田園地帯の広さを表していました。そして、彼が辿る小さな道は、新しい場所、珍しい行為、最近の会話や外国のランプの下での別れ、夜の静けさの中でまだ彼を追いかけてくる、帰りの甘美さへの興奮によって、彼の記憶に刻まれることでしょう。
やけに短いですが、細かく見ると所々脱落が発生しています(詳細は後述)。脱落のため文脈がつながらない箇所がありますが、翻訳は割とこなれているように感じます。
フランス語から英語へ翻訳してみたところ、脱落は発生しませんでした。しかし英語を経由して日本語へ重訳しても同様に脱落が発生しました。フランス語から中国語への翻訳でも特に脱落は見られないことから、日本語への翻訳は長文が苦手なようです。
※ 重訳については後の回で取り上げます。
細かく改行
コンマやセミコロンなどで細かく改行して、再翻訳を試みます。
Longtemps, je me suis couché de bonne heure. Parfois, à peine ma bougie éteinte, mes yeux se fermaient si vite que je n'avais pas le temps de me dire: «Je m'endors.» Et, une demi-heure après, la pensée qu'il était temps de chercher le sommeil m'éveillait; je voulais poser le volume que je croyais avoir encore dans les mains et souffler ma lumière; je n'avais pas cessé en dormant de faire des réflexions sur ce que je venais de lire, mais ces réflexions avaient pris un tour un peu particulier; il me semblait que j'étais moi-même ce dont parlait l'ouvrage: une église, un quatuor, la rivalité de François Ier et de Charles Quint. Cette croyance survivait pendant quelques secondes à mon réveil; elle ne choquait pas ma raison mais pesait comme des écailles sur mes yeux et les empêchait de se rendre compte que le bougeoir n'était plus allumé. Puis elle commençait à me devenir inintelligible, comme après la métempsycose les pensées d'une existence antérieure; le sujet du livre se détachait de moi, j'étais libre de m'y appliquer ou non; aussitôt je recouvrais la vue et j'étais bien étonné de trouver autour de moi une obscurité, douce et reposante pour mes yeux, mais peut-être plus encore pour mon esprit, à qui elle apparaissait comme une chose sans cause, incompréhensible, comme une chose vraiment obscure. Je me demandais quelle heure il pouvait être; j'entendais le sifflement des trains qui, plus ou moins éloigné, comme le chant d'un oiseau dans une forêt, relevant les distances, me décrivait l'étendue de la campagne déserte où le voyageur se hâte vers la station prochaine; et le petit chemin qu'il suit va être gravé dans son souvenir par l'excitation qu'il doit à des lieux nouveaux, à des actes inaccoutumés, à la causerie récente et aux adieux sous la lampe étrangère qui le suivent encore dans le silence de la nuit, à la douceur prochaine du retour.
長い間、早々に寝てしまいました。 時々、ロウソクが消えるとすぐに目が閉じてしまい、"眠りに落ちる "と言う時間がないほどでした。 そして30分後、そろそろ寝る時間だと思ったことで目が覚めた。 まだ手にしていると思っていた音量を下げて、ライトを吹き消したかった。 眠っている間に読んだことを考えるのはやめられなかったが、その考えは奇妙な方向に向かっていた。 教会、カルテット、フランシスコ1世とシャルル5世のライバル関係など、私自身がこの本の対象になっているように思えました。 この信念は、目が覚めたときに数秒だけ生き残った。 それは私の理性に衝撃を与えることはなかったが、それは私の目に体重計のように重くのしかかり、燭台に火が灯らなくなったことに気づかないようにしていた。 その後、それは私には理解できないようになり始めた、前の存在の思考の後にmetempsychosisのように。 本の主題が私から切り離され、私はそれに自分自身を適用するかどうか自由でした。 私はすぐに視力を取り戻し、私の目には柔らかくて安らかな暗闇が、私の精神にはそれ以上に、原因のない何か、理解できない何か、本当に不明瞭な何かのように見えたのには驚かされた。 何時になるのかなと思っていました。 電車の汽笛が聞こえてきて、それは多かれ少なかれ遠く、森の中の鳥のさえずりのように、距離を縮めながら、旅人が次の駅へと急ぐ荒涼とした田園地帯の広さを私に説明してくれました。 そして、彼が辿る小さな道は、新しい場所、珍しい行為、最近の会話や外国のランプの下での別れ、夜の静けさの中でまだ彼を追いかけてくる、帰りの甘美さへの興奮によって、彼の記憶に刻まれることでしょう。
脱落はなくなりました。「です・ます調」と「だ・である調」が混ざっているのが気になりますが、それ以外は意味不明な個所も少なく割と読みやすいです。
比較
文ごとに、機械翻訳と光文社古典新訳文庫からの引用を並べます。DeepL 以外の機械翻訳では脱落は発生しなかったため、原文をそのまま翻訳しています。
脱落が生じた個所は修正せずに赤字で示します。
DeepL による翻訳は各文5点満点で評価します(原文と光文社は対象外)。0点は脱落が生じた場合にのみ付けます。
仏 | Longtemps, je me suis couché de bonne heure. | |
DL1 | 3 | 長い間、早々に寝てしまいました。 |
DL2 | 3 | 長い間、早々に寝てしまいました。 |
み | 1 | 私は早く寝た。 |
G | 5 | 長い間、私は早く寝ました。 |
B | 5 | 長い間、私は早く寝ました。 |
光 | 長い間、私はまだ早い時間から床に就いた。 | |
仏 | Parfois, à peine ma bougie éteinte, mes yeux se fermaient si vite que je n'avais pas le temps de me dire: «Je m'endors.» | |
DL1 | 4 | 時々、ロウソクが消えるとすぐに目が閉じてしまい、"眠りに落ちる "と言う時間がないほどでした。 |
DL2 | 4 | 時々、ロウソクが消えるとすぐに目が閉じてしまい、"眠りに落ちる "と言う時間がないほどでした。 |
み | 5 | 時々、ろうそくが消えたとたん、目が早く閉じてしまって、「眠ってしまいます。」と自分に言い聞かせる時間がないことがありました。 |
G | 4 | 時々、ろうそくが消えるとすぐに目が閉じたので、「眠りに落ちた」と言う時間がない。 |
B | 4 | 時々、ろうそくが消えるとすぐに、目が速く閉じられ、私は「眠りに落ちている」と言う時間がありませんでした。 |
光 | ときどき、蠟燭が消えたか消えぬうちに「ああこれで眠るんだ」と思う間もなく急に瞼がふさがってしまうこともあった。 | |
仏 | Et, une demi-heure après, la pensée qu'il était temps de chercher le sommeil m'éveillait; | |
DL1 | 3 | そして30分後、そろそろ寝る時間だと思っていた私は目が覚めました。 |
DL2 | 5 | そして30分後、そろそろ寝る時間だと思ったことで目が覚めた。 |
み | 4 | 30分後、私は眠りを探す時が来たという考えに目覚めました。 |
G | 5 | そして、30分後、睡眠を求める時だと思って目が覚めました。 |
B | 2 | そして、30分後、睡眠を求める時がきかという思いが私を目覚めさせた。 |
光 | そして、半時もすると今度は、眠らなければという考えが私の目を覚まさせる。 | |
仏 | je voulais poser le volume que je croyais avoir encore dans les mains et souffler ma lumière; | |
DL1 | 5 | まだ手にしていると思っていた本を置いて、明かりを消したかったのです。 |
DL2 | 3 | まだ手にしていると思っていた音量を下げて、ライトを吹き消したかった。 |
み | 3 | まだ手元にあると思っていたボリュームを出して、ライトを吹きたいと思いました。 |
G | 3 | 私はまだ手に持っていると思ったボリュームを置いて、光を吹きたかった。 |
B | 3 | 私はまだ手に持っていると思っていたボリュームを置き、私の光を吹き飛ばしたかった。 |
光 | 私はまだ手に持っていると思っていた書物を置き、蠟燭を吹き消そうとする。 | |
仏 | je n'avais pas cessé en dormant de faire des réflexions sur ce que je venais de lire, mais ces réflexions avaient pris un tour un peu particulier; | |
DL1 | 0 | 【脱落】 |
DL2 | 4 | 眠っている間に読んだことを考えるのはやめられなかったが、その考えは奇妙な方向に向かっていた。 |
み | 3 | 私は今読んだことを熟考するために眠りを止めなかったが、これらの考えはかなり特別なものになった; |
G | 2 | 眠っている間、読んだばかりのことを振り返りながら立ち止まったことはありませんでしたが、これらの振り返りはかなり具体的な方向を変えました。 |
B | 1 | 私は今読んだことを振り返るために睡眠中に立ち止まらなかったが、これらの反射はかなりペカンな方向に向かっていた。 |
光 | 眠りながらも私はいましがた読んだばかりの書物のテーマについてあれこれ思いをめぐらすことは続けていたのだ。ただ、その思いはすこし奇妙な形をとっていて、 | |
仏 | il me semblait que j'étais moi-même ce dont parlait l'ouvrage: une église, un quatuor, la rivalité de François Ier et de Charles Quint. | |
DL1 | 0 | 【脱落】 |
DL2 | 3 | 教会、カルテット、フランシスコ1世とシャルル5世のライバル関係など、私自身がこの本の対象になっているように思えました。 |
み | 2 | 私は自分がこの本の主題であると感じていました教会フランソワ1世とチャールズ5世の間の四重奏で対立していました |
G | 2 | 教会、カルテット、フランソワ1世とチャールズ5世の対立など、私は自分がこの本について話しているように思えました。 |
B | 2 | 教会、カルテット、フランシス1世とチャールズ5世のライバル関係など、私は作品だと思っていました。 |
光 | 本に書かれていたもの、たとえば教会や四重奏曲やフランソワ一世とカール五世の抗争そのものが私自身と一体化してしまったような気がするのである。 | |
仏 | Cette croyance survivait pendant quelques secondes à mon réveil; | |
DL1 | 5 | この信念は、私が目を覚ましたときに数秒だけ生き残った。 |
DL2 | 5 | この信念は、目が覚めたときに数秒だけ生き残った。 |
み | 5 | この信念は私が目覚めたとき数秒間続きました; |
G | 4 | 私が目を覚ましたとき、この信念は数秒間生き残りました。 |
B | 4 | この信念は、私が目を覚ますと数秒間生き残った。 |
光 | そうした思い込みは目が覚めても少しの間は残ったままだ。 | |
仏 | elle ne choquait pas ma raison mais pesait comme des écailles sur mes yeux et les empêchait de se rendre compte que le bougeoir n'était plus allumé. | |
DL1 | 3 | それは私の理性にショックを与えることはなかったが、それは私の目に体重計のように重くのしかかり、キャンドルホルダーがもはや点灯していないことに気づくのを妨げた。 |
DL2 | 3 | それは私の理性に衝撃を与えることはなかったが、それは私の目に体重計のように重くのしかかり、燭台に火が灯らなくなったことに気づかないようにしていた。 |
み | 3 | 彼女は私の理性にショックを与えなかったが、私の目にはうろこのような重さがあり、ロウソクがもうついていないことに気づかせなかった。 |
G | 4 | それは私の理由に衝撃を与えませんでしたが、私の目がうろこのように重くなり、ろうそく足がもう点灯していないことに気付かなかったのです。 |
B | 2 | それは私の理由にショックを与えませんでしたが、私の目のスケールのような重量を量り、ローソク足がもはやオンではないことを認識するのを防ぎました。 |
光 | それは私の理性を混乱させることはないが、鱗のように目に覆いかぶさるので、燭台の灯がもう消えているかどうかを確かめることはできない。 | |
仏 | Puis elle commençait à me devenir inintelligible, comme après la métempsycose les pensées d'une existence antérieure; | |
DL1 | 0 | 【脱落】 |
DL2 | 3 | その後、それは私には理解できないようになり始めた、前の存在の思考の後にmetempsychosisのように。 |
み | 4 | それから、輪廻転生の後に、以前の存在についての考えが理解できなくなったように、私は理解できなくなった。 |
G | 2 | それから、それは私にとって理解不能になり始めました。というのは、流涙症の後、以前の存在の考えがあったからです。 |
B | 2 | その後、彼女は、以前の存在の考えの後に、私には理解しにくくなり始めました。 |
光 | だが、かような思い込みはしだいに意味不明なものに変わってゆく、あたかも輪廻転生を経たあとの前世の思考のように。 | |
仏 | le sujet du livre se détachait de moi, j'étais libre de m'y appliquer ou non; | |
DL1 | 3 | 本の主題は私から切り離され、私はそれに自分自身を適用するかしないかは自由であった。 |
DL2 | 3 | 本の主題が私から切り離され、私はそれに自分自身を適用するかどうか自由でした。 |
み | 2 | その本の主題は私とは別だったので、私はそれを適用するかしないかは自由だった。 |
G | 2 | この本の主題は私から切り離されていたので、私は自由にそれを自分に当てはめるかどうかは自由でした。 |
B | 1 | 本の主題は私から目立っていた、私は自由に応募するかどうかにかかわらず。 |
光 | 書物のテーマは私から離れ、それをさらに追うか否かは私の裁量に任される。 | |
仏 | aussitôt je recouvrais la vue et j'étais bien étonné de trouver autour de moi une obscurité, douce et reposante pour mes yeux, mais peut-être plus encore pour mon esprit, à qui elle apparaissait comme une chose sans cause, incompréhensible, comme une chose vraiment obscure. | |
DL1 | 4 | すぐに私は視力を回復し、私の周りに、私の目には柔らかくて安らかな暗闇を見つけて非常に驚いたが、おそらくそれ以上に私の精神にとっては、それが原因のないもののように見えた。 |
DL2 | 4 | 私はすぐに視力を取り戻し、私の目には柔らかくて安らかな暗闇が、私の精神にはそれ以上に、原因のない何か、理解できない何か、本当に不明瞭な何かのように見えたのには驚かされた。 |
み | 5 | 目が見えるようになるとすぐに、まわりには暗闇が見えて驚きました。目には甘くて安らぎに満ちていましたが、心にはそれ以上のものがありました。原因のない不可解な何か、本当に暗い何かのように見えたのです。 |
G | 3 | すぐに視力を取り戻し、目の周りに柔らかくて安らかな暗闇を見つけたのに非常に驚いたが、おそらく私の心にはそれが原因のない、理解できない、本当にあいまいです。 |
B | 1 | すぐに私はビューを覆い、私は私の目のために柔らかく、安らかな暗闇を私の周りに見つけて驚きましたが、おそらく私の心のために、それは本当に物事として、原因のないものとして現れました。無名。 |
光 | と、ただちに私は視力を回復し、自分のまわりが暗闇であることに気がついて愕然とする。その闇は目に優しく、目の疲れを癒してくれるが、私の精神にとってはおそらくもっと優しく、癒しに満ちたものだ。私の精神からすると、暗闇ははっきりとした理由もなく存在する人知を超えた、まさしく曖昧模糊としたものに思われる。 | |
仏 | Je me demandais quelle heure il pouvait être; | |
DL1 | 0 | 【脱落】 |
DL2 | 3 | 何時になるのかなと思っていました。 |
み | 4 | 何時になるかと思った; |
G | 3 | 何時になるのだろうと思っていました。 |
B | 2 | 私はそれが何時かもしれないのだろうかと思った。 |
光 | いったい何時になったのだろうと私は考える。 | |
仏 | j'entendais le sifflement des trains qui, plus ou moins éloigné, comme le chant d'un oiseau dans une forêt, relevant les distances, me décrivait l'étendue de la campagne déserte où le voyageur se hâte vers la station prochaine; | |
DL1 | 3 | 電車の汽笛が聞こえてきて、それは多かれ少なかれ遠く、森の中の鳥の鳴き声のように、距離を縮めながら、旅人が次の駅に向かって急いでいる荒涼とした田園地帯の広さを表していました。 |
DL2 | 3 | 電車の汽笛が聞こえてきて、それは多かれ少なかれ遠く、森の中の鳥のさえずりのように、距離を縮めながら、旅人が次の駅へと急ぐ荒涼とした田園地帯の広さを私に説明してくれました。 |
み | 4 | 列車の汽笛の音が聞こえていたが、その汽笛は、多かれ少なかれ、森の中の鳥のさえずりのように、距離をあげながら、次の駅へと旅人が急ぐような、さびれた田舎の広さを物語っていた。 |
G | 1 | 森の鳥のさえずりのように、距離を書き留めて、旅行者が次の駅に向かって急いだ田舎の広がりを説明する列車の口whiを聞きました。 |
B | 2 | 多かれ少なかれ遠く離れた森の中の鳥の歌のように、距離を上げて、旅行者が次の駅に急いだ人里離れた田舎の程度を私に説明した列車の口笛が聞こえた。 |
光 | 汽車の汽笛が聞こえてくる。それは近く、また遠くから聞こえ、ちょうど、森のなかで一羽の鳥が鳴いたときのように、あいだに横たわる距離を際立たせ、旅人が近くの小駅に急ぎ足で歩いてゆく荒涼とした平原の広がりを私に感じさせた。 | |
仏 | et le petit chemin qu'il suit va être gravé dans son souvenir par l'excitation qu'il doit à des lieux nouveaux, à des actes inaccoutumés, à la causerie récente et aux adieux sous la lampe étrangère qui le suivent encore dans le silence de la nuit, à la douceur prochaine du retour. | |
DL1 | 3 | そして、彼が辿る小さな道は、新しい場所、珍しい行為、最近の会話や外国のランプの下での別れ、夜の静けさの中でまだ彼を追いかけてくる、帰りの甘美さへの興奮によって、彼の記憶に刻まれることでしょう。 |
DL2 | 3 | そして、彼が辿る小さな道は、新しい場所、珍しい行為、最近の会話や外国のランプの下での別れ、夜の静けさの中でまだ彼を追いかけてくる、帰りの甘美さへの興奮によって、彼の記憶に刻まれることでしょう。 |
み | 4 | そして彼がたどった小さな道は、彼の記憶に刻まれるだろう。新しい場所への興奮、変わった行為、最近の話、そして夜の静寂の中で彼の後をついてくる外国のランプの下での別れ、来るべき帰りの穏やかさに。 |
G | 2 | そして、彼が辿る小さな道は、彼が新しい場所、珍しい行為、最近のチャット、そして今なお沈黙して彼に続く外国のランプの下での別れに負っている興奮によって彼の記憶に刻まれます。夜の、戻りの次の甘さへ。 |
B | 0 | そして、彼が従う小さな道は、彼が新しい場所、異常な行為、最近の話、そして夜の沈黙の中で彼に続く外国のランプの下での別れに、次の甘さに彼の記憶に刻まれます戻る。【脱落】 |
光 | はじめての場所、慣れぬ振る舞い、つい最前までしていたおしゃべり、夜の静寂のなかでいまなお後ろから聞こえてくるような気がする、我が家ならぬ灯のもとで交わされた別れの言葉、帰路につくと思うとゆくりなくもこみ上げてくる喜び……こうしたことで昂ぶる胸の思いは、旅人がたどる細い田舎道をくっきりとその記憶のうちに刻むだろう。 |
評価
集計結果を示します。「得点」は70点満点です。
得点 | 平均 | |
DL1 | 36 | 2.6 |
DL2 | 49 | 3.5 |
み | 49 | 3.5 |
G | 42 | 3.0 |
B | 31 | 2.2 |
今回の得点を見る限りでは、脱落対策をした DeepL とみらい翻訳は互角です。文章の自然さは人の手による翻訳には及びませんが、意味が取れれば良いという水準にはあと一歩という感じがします。
脱落対策の手間を差し引けば、みらい翻訳に分があります。ただ、みらい翻訳は原文から離れて文章を作る傾向があるような印象を受けます。
Google翻訳はニューラル翻訳の登場当初は革新的だと感じたものですが、DeepL やみらい翻訳と比べると今一歩という感が否めません。今後に期待したいです。
プルーストは長文が多く機械翻訳には難しい文体だったようです。ですが機械翻訳の主な用途として想定される技術文書では簡潔な記述が多いため、今回のように頻繁に脱落が発生することは少ないでしょう。
Google翻訳でも脱落が発生することはありますが、今回は目立った脱落は見当たりませんでした。
Bing 翻訳の点数が低いのは、文章としてのまとまりがなく意味が取れないものが多いためです。しかし部分的にはうまく訳せている個所もあるので、他と並べて参考にするのには役立ちそうです。
感想
原文を分割したことで翻訳の質が下がった個所があります。恐らく、ある程度は文脈を捉えていたのが、改行によって途切れてしまったのでしょう。
DL1 | 5 | まだ手にしていると思っていた本を置いて、明かりを消したかったのです。 |
DL2 | 3 | まだ手にしていると思っていた音量を下げて、ライトを吹き消したかった。 |
みらい翻訳は「輪廻転生」が訳出できているのは目を引きました。
み | 4 | それから、輪廻転生の後に、以前の存在についての考えが理解できなくなったように、私は理解できなくなった。 |
つなぎ合わせ
試験的に、各文で最高得点だった訳をつなぎ合わせてみます。最低限の意味が取れるように手動修正して、その個所を赤字で示します。
G | 5 | 長い間、私は早く寝ました。 |
み | 5 | 時々、ろうそくが消えたとたん、目が早く閉じてしまって、「眠ってしまいます。」と自分に言い聞かせる時間がないことがありました。 |
DL2 | 5 | そして30分後、そろそろ寝る時間だと思ったことで目が覚めた。 |
DL1 | 5 | まだ手にしていると思っていた本を置いて、明かりを消したかったのです。 |
DL2 | 4 | 眠っている間 |
DL2 | 3 | 教会、カルテット、フランシスコ1世とシャルル5世のライバル関係など、私自身がこの本の対象になっているように思えました。 |
み | 5 | この信念は私が目覚めたとき数秒間続きました |
G | 4 | それは私の |
み | 4 | それから、輪廻転生の後に、 |
DL1 | 3 | 本の主題は私から切り離され、私はそれに自分自身を適用するかしないかは自由であった。 |
み | 5 | 目が見えるようになるとすぐに、まわりには暗闇が見えて驚きました。目には甘くて安らぎに満ちていましたが、心にはそれ以上のものがありました。原因のない不可解な何か、本当に暗い何かのように見えたのです。 |
み | 4 | 何時になるのだろうかと思った |
み | 4 | 列車の汽笛の音が聞こえていたが、その汽笛は、多かれ少なかれ、森の中の鳥のさえずりのように、距離を |
み | 4 | そして彼がたどった小さな道は、彼の記憶に刻まれるだろう。新しい場所 |
既存の日本語訳があったおかげで修正できました。それがなければ修正しきれなかったかもしれません。