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読み上げドイツ語入門 (2) 3格

Web Speech API による読み上げを利用した語形変化中心のドイツ語入門です。

シリーズの記事です。

目次

概要

間接目的語(3格・与格)を学習します。

読み上げ

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音声合成の利用方法など技術面に関しては、以下の記事を参照してください。

代名詞

英語では間接目的語と直接目的語で代名詞は同形ですが、ドイツ語では一部を除き異なります。

  • 独 uns, euch は同形です。

英語とドイツ語で似ているものがあります。

  • 独 mir, dir は英 me, thee に -r を付けたような形をしています。
  • 独 ihm, ihr の h を前に出せば英 him, her に似ていますが、由来は異なります。
  • 独 es, das と英 it, that ではドイツ語 -s が英語 -t に対応します。

独 das は遠近の区別なく使われるため、意味的には英 this/that の両方を含みます。

  • 遠近を明示するには dieser(近), jener(遠)という別の指示代名詞を使用します。

間接目的語だけに注目するため、主語のない命令文で例を示します。

語順

直接目的語が人称代名詞でなければ、上で見たように間接目的語・直接目的語の順に並べます。

英語では直接目的語が人称代名詞のときは SVOO を避けて間接目的語を to で表します。

  • Give it to him.

ドイツ語では前置詞は使いませんが、間接目的語を後に置きます。

  • Gib es ihm.

ドイツ語では語形変化によって区別が付くため前置詞は不要ですが、語順は英語と同じだと見なせます。

冠詞・名詞

1 格と 3 格を対比するため、主語と間接目的語を同じ語にした例文を示します。

  • 文章の意味はあまり気にせず、語形に注目してください。

不定冠詞

弱変化男性名詞は語尾に -n が付きます。(赤字

複数形

名詞の複数 3 格の語尾がすべて -n であることと、複数 1 格との差に注目します。(赤字

  • 強変化男性名詞の複数 1 格は語尾が -n ではないため、付加する形となります。

複数 1 格・3 格・4 格が同形となる語については、文脈から格を判断します。

定冠詞

単数

定冠詞の語形には重複があるため、名詞と合わせて格を判断します。

  • 女性 3 格の der は男性 1 格と同形のため、der FrauFrau が女性名詞であることから 3 格だと判断します。

不定冠詞と語尾が共通していることに注目します。

  • einem/dem, einer/der
  • 形容詞の変化に影響します。(後述)

複数

定冠詞と名詞のセットでも語形に重複があるため、文脈から判断します。

  • den Jungen は単数 4 格と複数 3 格が同形のため、直接目的語の es から複数 3 格だと判断します。

定冠詞と名詞ともに語尾が -n であることに注目します。(赤字

形容詞

不定冠詞+形容詞(混合変化)

3 格では不定冠詞に定冠詞と同じ語尾が付いているため、形容詞は弱変化 -en となります。

  • 形容詞は不定冠詞の語形によって強変化・弱変化を使い分けることから混合変化と呼ばれます。

形容詞(強変化)+複数形

冠詞を伴わない形容詞は定冠詞と似た語尾の強変化となりますが、複数 3 格では結果的に弱変化と同じ -en となります。

定冠詞+形容詞(弱変化)

形容詞は単数と複数ともに弱変化 -en となります。

単数

複数

語順

直接目的語が人称代名詞でなければ、間接目的語・直接目的語の順に並べます。

目的語がどちらも名詞句の例を示します。

まとめ

全体を通して聞くのにご利用ください。