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読み上げドイツ語入門 (6) 動詞の語順

Web Speech API による読み上げを利用した語形変化中心のドイツ語入門です。

シリーズの記事です。

目次

概要

動詞の語順のパターンを耳に慣らせます。

読み上げ

音声の再生は環境に依存します。Edge(推奨)と Chrome はデフォルトでオンラインのエンジンが利用できます。その他の環境では以下を参照してください。

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音声合成の利用方法など技術面に関しては、以下の記事を参照してください。

従属文

英語での主節・従属節はドイツ語では主文・従属文(副文)と呼び、主文と従属文はコンマで区切ります。

  • Er sagt, dass ...

従属文では動詞を最後に置きます。

  • ..., dass ich dich liebe.

従属文の語順が日本語に似ています。(接続詞を除く)

  • ich「私が」 dich「君を」 liebe「愛する」

疑問文

疑問文では動詞を先頭に置きます。英語の do に相当する語は使いません。

イギリス英語では動詞が所有の意味を表す have のときに do を使わないことがありましたが、古風な言い方です。

V2 語順

主文の語順は従属文の語順を変形したと考えます。

  1. 従属文の語順
    • (Er sagt, dass) ich dich liebe.
  2. 動詞を先頭に移動
    • Liebe ich dich?
  3. 主語を先頭に移動
    • Ich liebe dich.

動詞が先頭(1 番目)にある語順を V1、動詞が 2 番目にある語順を V2 と呼びます。

  • 疑問文(疑問詞なし)と命令文は V1 語順、平叙文は V2 語順です。

中間過程で従属文・疑問文・平叙文を示しましたが、SOV → V1 → V2 という語順の変化が本質です。

先頭の要素

文中で一番重要な要素が先頭にあると考えます。

  • 通常は主語が一番重要なので先頭にあります。

目的語

目的語を強調したいときは、V1 語順から目的語を先頭に移動させます。

  • Liebe ich dich? → Dich liebe ich.

主語と目的語が入れ替わったのではなく、ベースに V1 語順があると考えます。

英語では目的語が語頭に来ることはありますが、ドイツ語とは語順が異なります。

副詞

副詞の場合も同様です。

  1. (Er sage, dass) sie vorher kam.
  2. Kam sie vorher?
  3. Vorher kam sie.

英語にも同様の語順が存在しますが、ドイツ語よりも条件が限られます。

  • 方向を表す副詞が語頭に来ると倒置します。
    • Here comes the man.
  • 主語が代名詞の場合は倒置しません。
    • Here he comes.

現在完了

現在完了は助動詞+過去分詞で動詞句というブロックになっていますが、千年以上前に現在完了が使われ始めた頃はブロックという意識が強くなく、今でも語順にその痕跡が残っています。

一部の自動詞では現在完了の助動詞として sein を使いますが、語順の変形過程で過去分詞が補語であるかのように振る舞います。

  1. SOV
    • (Er sagt, dass) sie gekommen ist. (現在完了)
    • (Er sagt, dass) sie gut ist. (補語)
  2. V1
    • Ist sie gekommen?
    • Ist sie gut?
  3. V2
    • Sie ist gekommen.
    • Sie ist gut.

haben を助動詞として使う場合、語順の変形過程で過去分詞が目的語であるかのように振る舞います。

  1. SOV
    • (Er sagt, dass) sie gesehen hat. (現在完了)
    • (Er sagt, dass) sie es hat. (目的語)
  2. V1
    • Hat sie gesehen?
    • Hat sie es?
  3. V2
    • Sie hat gesehen.
    • Sie hat es.

他動詞では本来の目的語がまた別にあることに注意してください。

  1. (Er sagt, dass) sie einen Apfel gehabt hat.
  2. Hat sie einen Apfel gehabt?
  3. Sie hat einen Apfel gehabt.

助動詞と過去分詞が枠のように目的語を囲っているように見えるため、これを枠構造と呼びます。

  • Sie hat einen Apfel gehabt.

従属文の語順が日本語に似ています。(接続詞を除く)

  • sie「彼女が」 einen Apfel「りんごを」 gehabt「持っ」 hat「た」

助動詞

一般の助動詞も現在完了の助動詞と同じ語順です。

まとめ

全体を通して聞くのにご利用ください。